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【子育ての秘訣/この人に聞く】
人生の先輩の考える子育てとは(2)
★相田みつを美術館 館長 相田一人氏

■ともかく具体的にうごいてごらん 具体的にうごけば 具体的な答えがでるから P2

余談になりますが、子どもの目から見て自分の父親がPTAの会長としてしょっちゅう学校に来ることは嫌なんです。目立つわけですから。先生たちもPTAの会長の息子だという目で見たりするわけです。それが嫌だったので、中学入学した時父に「PTA活動だけはやめてくれ」と言いましたら「わかった」ということで3年間自粛しました。ところが高校へ入ったらまた2年間ぐらい会長をやりました。

いまだに良く覚えていますが、父はPTAの会長となる少し前に私に「一人、おまえPTAってどういう意味だか知っているか?」と聞いてきたのです。小学生なので英語なんてわからなかったのです。そこで父はおもむろに「Pはペアレンツ、Tはティーチャーで、Aはアソシエイションなんだ。親と先生が協調して子どもを育てていくというのがPTAの本来の趣旨なんだ」と4年生ぐらいの私に言うのです。訳がわからないけれども、そうかなと聞いていました。

いまのPTA活動は本来の言葉の意味から外れちゃっているというようなことを父は言うのです。なぜそんなことを言うのかと思っていたら、しばらくして5年生の始業式の日に、いきなり「新しいPTA会長の相田みつをさんどうぞ」と紹介されて、「ああこういうことだったのか」と思いました。

父は本来のPTAの原点に戻った活動をしようということで、会長を引き受けたらしいのです。当時昭和30年代後半から40年ぐらいのPTAというのは、地方都市だったからかもしれませんが、学校に対する圧力団体的なところがありました。先生方もPTAの意向を気にします。それはおかしいと父は言います。アソシエイションだからお互いに協調しなくてはいけないのに、親は先生に気を使いつつ圧力をかけて、先生方もそれを知りつつ適当にやっているみたいなところがありました。それが嫌だったのでしょう。

それで父はこう言いました。「まず親たちが勉強しようじゃないか」と。それでお名前は忘れましたが東京の大学の先生を中心に、通常では呼べないような方々をお招きして熱心に講演会活動をやりました。


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