子育ての秘訣

子育ての『いろは』

こどもの社会性を育てるには・・・

連載3 子どもに生活技術を伝える

ほんの半世紀前までは機械も単純なものしかなく、自動化などはできていませんでした。また日常の商品も使用する最終段階は自分で加工する必要がありました。つまり自分の手足を使っていたわけです。

機械化・自動化で便利になりすぎ

具体例をあげてみましょう。今日、鰹節(かつおぶし)ひとつとっても様々に加工された商品が売られています。削り具合が何段階にも分かれていますね。けれども昔は鰹節の削り器がどの家庭にもあって、鰹節の塊りをその都度削って使っていました。子どものお手伝いとしても鰹節削りが行われていました。

「削り」つながりで鉛筆削りもそうです。小刀やナイフで削っていた時代から、手動の鉛筆削りに移り、電動シャープナーとなりました。鉛筆を穴に差し込むだけできれいに削れてしまいます。手動の鉛筆削りは押さえ方とハンドルの回し方のバランスが取れていないと、うまく削れません。削るのにはそれなりの技術が必要です。このように便利な道具があふれているために、子ども達はちょっとしたコツがいるような道具に触れる機会がないのです。

子どもに生活技術を伝える

過保護で親がかまいすぎ

家族が大勢ですと子どもに構ってばかりいられないのですが、核家族では子どもにやらせるよりも、親がやってしまった方が手っ取り早いので、ここでも子ども自身がコツやワザを身につけるチャンスが失われてしまいます。

ビンのフタやペットボトルのフタをあけることができない子どももいます。食事時に食卓でお子さんがお客さん状態になっていませんか?レストランのようにお皿が出てくるのを待つだけに。ここでも受身になるような状況が多く見られます。

昔は親から日常で役立つ技術を教わった

世の中の電子化が進んだのは1970年代に入ってからです。それ以前は目に見える仕組みで成り立つ機械で社会が動いていました。電子化されていない機械は車のエンジンのようにメンテナンスが必要です。そうした技術は家庭の中にもありました。例えば包丁などの刃物は家庭でも研いでいましたし、自転車のパンクくらいは家庭で直してしまう人も多かったのです。私も父親がパンク修理をしていたので、見よう見まねで今でも直すことができます。

アメリカ映画でもよく父親が工具箱を持っていて、家の修理などをしているシーンが出てきますが、日本も似たようなものでした。どこの家庭にも大工道具が置いてありました。

自立の第一歩は独りでもで生活できること

昔と同じようにすることは無理ですが、少なくともビンの栓を栓抜きで抜くことや、缶詰を缶切であけること、リンゴの皮むきくらいはできるようにしておきたいですね。刃物は危ないと遠ざけるよりも、興味を持ったときに正しい使い方を教えれば、怪我をすることはなくなります。実を言えば少しくらい切って血が出る経験をした方が、刃物と言うものの危険性をを肌身をもって知ることができて良いのではとさえ思うのです。

子どもの自立を助けるのが大人の役目だとすれば、まずは手先を使った身近な生活技術を教えてやりたいもの。不器用な子どもが増えているのは、手先を使う機会が減っているからだと思います。遊びも含めて手先を使う作業には、必ず創意工夫を試す余地があり問題解決力を伸ばします。料理、掃除、編み物、家の補修などで色々な道具の使い方を教えてやりましょう。

【家庭にある道具の例】
・包丁
・はさみ
・針
・トンカチ
・のこぎり
・ドライバー
・レンチ
・ペンチ
・ナイフ
・下ろし金
・ピーラー
・栓抜き
・缶切
・ワインオープナー
・鉛筆削り
・レモン搾り器

羊(2009/08/15)

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