子育ての秘訣

子育ての『いろは』

間違いのない幼稚園選びのポンイトとは

特集 元幼稚園の保育者が教える幼稚園選びのチェックポイント

幼稚園は多種多様・・・とはいえ、ホームページやパンフレットに書いてある園の目標は、たいてい「明るくのびのびと」とか「心身共に健やかな成長」「豊かな情操教育」等で似たり寄ったり・・・?なんて感じ、しませんか?
これでは一体どこを見て選んだら良いのかわからない・・・という方にお教えします。

幼稚園を選ぶ際のチェック項目は次の4つです。
1)システム
2)プログラム
3)設備
4)人柄・園柄(園の雰囲気)

システム

まずはホームページやパンフレットを見て園の概要を理解しましょう。
・クラス編成(クラス形態 人数 男女比 障がい児受入 れの有無)
・先生の体制(各クラス担任 フリーの先生の人数)
・時間外保育(働いているお母さん対応の夕方までの保育)
・課外教育(幼稚園の終わった後、別料金で習い事や教室を開催)
・送迎(徒歩 バス)
・附属小学校〜大学(附属小学校がある幼稚園は、一般的に入学が有利)

子どもに生活技術を伝える

チェックポイント1
ここでの最大のチェックポイントは、クラスの編成です。年齢別か異年齢クラスか、障がい児・健常児統合クラスか。一クラスの人数は15〜25人が最も適当と思われます。

チェックポイント2
ホームページやパンフレットからは見えにくいかもしれませんが、先生の体制は要チェックです。
(1)各クラス担任の人数、補助の先生の有無
(2)先生の年齢層の構成
(3)フリーな(各クラスを見渡し、必要な保育に当たる助っ人的役割)先生の有無

チェックポイント3
ママさん先生の存在有無は注目したポイントです。長期間勤めている先生が多い幼稚園は経済的に安定し、先生の産休・育休制度が確立していことの裏づけとも言えます。先生の入れ替わりが早い、または若い先生ばかりの園はもしかしたら注意した方がいいかもしれません。結婚と同時に退職を求める古い価値観の表れであったり、先生を育てようという意識が薄い園とも受け取れます。何らかの理由で先生が一斉に退職したというケースも見受けられます。こうした点も気になります。

プログラム

具体的な保育の内容を把握しましょう。
・教育活動の特色(学習系 スポーツ系 アウトドア系 造形系 自然系等)
・通常保育以外の活動(宿泊保育 園外保育 体験活動)
・宗教教育(キリスト教 仏教 神道等)
・食育(栄養士による指導や講習)
・行事(発表会 運動会等)

チェックポイント1
ここでは、保護者の育児方針に沿ったプログラムが入っているかチェックしましょう。保護者の皆さんはご家庭でのお子さんを見て「こんな経験をさせたい」という希望を、きっとお持ちだと思います。それらがプログラムに反映されているか確認が必要です 。

チェックポイント2
特にチェックしていただきたいのは「行事」です。園によって行事の多い園と少ない園があります。園外での開催や部外者も招いて発表するような大きな行事が多ければ多いほど、先生の負担は重くなり、ひいては子どもの負担となる場合があります。特に年若い先生には、プレッシャーとなるかも知れません。行事が多く保護者の参観機会が増えるのは、保護者にとっては楽しみなことです。しかし派手な行事は、必ずしも園児のためになることばかりではないことを、心に留めておいていただきたいと思います。

一方、行事が少ない園は、言い方を変えると日常の生活を大切にしている園、とも言えます。行事によって日々つながりのある保育を途切れさせない。という方針を採っている園もあります。このような考え方もあるので、ご家庭の方針とよく照らし合わせていただきたいと思います。

設備

候補の幼稚園が決まったら、見学会・説明会へ行ってみましょう。
・立地
・周辺環境
・園舎(教室配置採光風通し 集会場 体育館 プール 図書室)
・園庭(土 芝生 畑 動物飼育 ビオトープ 森 山 木陰 遊具)
・給食 お弁当
・セキュリティ

子どもに生活技術を伝える

チェックポイント1
設備については、最新設備の整った園舎や園庭の方が良いと思われるか、古びていても暖かさを感じさせる設備が良いと思われるかは、保護者の好みによります。園庭の作りは、様々なタイプがあります。運動場もあれば、山一つが園庭と言う園も。お弁当か給食かも悩みどころかもしれませんね。弟妹がいるとご家庭だと大変と思いますが、個人的には子どもの嗜好や量に応じて作れるお弁当がお薦めです。給食の場合は、自園調理か外注調理かも気になるところ。

チェックポイント2
園舎、園庭の作りが、安全面に配慮しているかどうかは是非とも園に確認していただきたいです。例えば、引き戸に指詰め防止器具がついているか。遊具に腐敗、破損などないか。転落、水溺、死角の有無、その対策が取られているか。ただし死角と言っても、故意に隅っこスペースを作っている園もあります。狭い開放的でない空間のほうが子どもは落ち着いてよく遊べるものだから。そのような配慮の上での空間作りもあるので、勝手に思い込まずに園へ確認してみるとよいでしょう。

チェックポイント3
セキュリティについては、昨今の事情を鑑み何らかの対策が取られているか注目して下さい。何も対策が取られていない園は、時流に疎い園かも知れません。警備員の配置や防犯ブザーの配布、防犯カメラの設置や出入口のセキュリティロック、職員の目配り等の何らかの対策が取られているはずです。園の安全に関する考え方を確かめられるといいですね。

人柄・園柄

先輩お母さんのクチコミ情報も要チェック。
・園長先生・副園長・主任など、園の責任ある先生方の人柄、雰囲気
・園全体の雰囲気
これまでのチェックポイントに比べて最も大切なポイントと言えるかもしれません。

チェックポイント1
若い先生を束ねる園の責任ある先生方(園長・副園長・主任)の保育観は重要なチェックポイントです。保育の大きな流れを決める園長先生と、その保育の実践指導者に当たる副園長先生・主任の先生の話は是非伺いたいものです。(ただし、園先生長が直接保育に関与している園とそうでない園がありますので、その辺りも要チェックですね。)

しっかりした保育観、若い先生への指導力を持っている事も大切ですが、子どもへの愛着が滲み、子どもへの暖かい眼差し、子どもを包み込むような人柄を兼ね備えている副園長先生や主任の先生がいる園を選びたいものです。

チェックポイント2
幼稚園とは女性の多い職場。いざこざが絶えない、園長先生が横暴、派閥争い?なんて話も時々耳にします。大人同士の不和は子どもの保育にも影響します。園の雰囲気をチェックするにはどうしたら良いでしょう。

・見学、説明会でチェック
副園長・主任先生は若い先生への態度が高圧的でないか。若い先生から尊敬を受けている様子が窺えるか。一人ひとりの先生の様子・対応が社会人として常識的であるかどうか。

・保育便りの内容のチェック(数ヶ月分をもらってチェックしましょう)
行事や活動の予定、報告だけでなく、日々の保育についてのコメントがあるか。各クラスの保育が他クラスと連動・協調している様子があるか。

・説明会での話の内容からチェック
「毎日の保育を把握している」「変化に対応している」「試行錯誤している」などの様子が窺えるか。各先生が他クラスの子どもについても把握し、ある程度の共通の認識を持っているか。通り一遍の保育観ではなく、実際の保育の経験に裏づけされた理念、理論としての保育観であるか。

以上、幼稚園選びのチェックポイントを上げてみました。

お子さんが初めて経験する集団生活の場を選ぶのです。皆さんのお子さんが「子どもの性格を受け止め、個性を理解し、資質を伸ばしてくれる」先生・幼稚園に出会えますよう、心よりお祈りしています。

松井知子(2009/09/15)

経歴

元幼稚園教諭
マエマエママズ代表(メイツ出版から1999年〜2004年にかけて幼稚園、保育園ガイドを出版)

幼稚園検索

保育園検索

幼稚園・保育園更新情報