子育ての秘訣

子育ての『いろは』

こどもの社会性を育てるには・・・

連載14 幼い子のウソはウソではない?

幼い子は意図的にウソをつくということはほとんどありません。自分でも気づかずにウソをついてしまうので、すぐに叱るのは考えものです。

脳の発達が未熟な子どもは、時間の観念も見発達です。小学校1,2年生でも時間を意識して生活している子は少ないでしょう。

したがって直近に起こったことと、少し前に起こったことの区別がつかないことがあります。これが子どもの中でごっちゃになって、例えばケンカの原因を作ったのが自分の行為だったということを忘れてしまい、言っていることに筋が通らず、結果的にウソに見えることがあるのです。

また、自分の意識の中で「つもり」になったことが、実際にあったことのように感じられて、していないことを「した」と言ったり、したことを「やってない」と言ったりして「ウソをついてはいけません」と叱られることになります。

例えばこんな光景が思い浮かびます。

連載13 幼い子のウソはウソではない?

『弟が食べるのが遅くて残っていたおやつを、兄が食べてしまった。そして弟が泣き出して、あなたがそこへやってきて事情を聞いたとします。

弟「お兄ちゃんがお菓子をとった!」兄「ぼく食べてないもん」と答えます。兄がウソをついているなとわかりました。』

こんな時は兄を叱ってしまいがち。でも彼の心のなかで何があったかを考えてみましょう。

「自分はおやつを食べてしまった。まだお皿に残っているな。弟はもうお腹いっぱいなのかな。だってのんびり食べているもん。じゃあぼくがもらってもいいかな…。まだあるよ。きっといらないよね…。弟がもういらないって言うといいな…。あれ、いらないって言った?言ったよね?じゃあ食べちゃお」。

こんな風に「言ったらいいな」が「言った」に変わってしまったのかも知れません。もちろん心のどこかには後ろめたさが残っているでしょうが。

ですから、ここではストレートに叱るよりも「仲良く分けあって食べて欲しかったな。もし足りなかったらママに聞いてみたらよかったんじゃない?」と望ましい行動のモデルを示してやると、次からどのように行動したら良いかが伝わるでしょう。悪意のないウソには余裕を持って対処したいものです。

羊(2012/10/15)

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