子育ての秘訣

親の力向上委員会

こどもの生きる力を伸ばすために

連載12   東大生3人を育てた後藤家の子育て(2)

引き続き3人の息子さんが全員東大を卒業されている後藤さんに子育ての秘訣を聞きました。

後藤真智子 氏
後藤真智子 氏

後藤家の子育てインタビュー

Q.お子さんたちの家庭学習の習慣はどのようにしてつけられましたか?

勉強の環境作りは?と聞かれますが特にしなかったです。しいて言えば中学受験のため塾に入れたことですね。塾任せです。

私自身が7人兄弟で育ったせいか分かりませんが、私には教育という概念があまりなかったように思います。その為、小学校入学当初の長男の連絡帳さえ目を通しませんでした

子どもは勝手に育つものだと思っていたからです。私自身、両親に干渉された記憶がなかったのです。

Q.お子さんたちは中学受験を経験されていますが、私立中学へ行かせようと考えた理由を教えてください。

たまたま公開テストのダイレクトメールが長男あてに来たので興味本位で受験させたら意外と良い成績だった事と、近くの中学校が荒れていたので(パトカーが来るほど)

Q.お子さんたちの中学受験勉強はどのようでした か?

中学受験のためには、入試問題が公立の勉強だけでは対応できない為、塾は欠かせないものなので、通塾をさせました。長男はそれなりに偏差値などが気になり多少はっぱをかけたりしましたが、合格不合格は時の運も作用することを実感し、次男、三男は子ども任せでした。

実力にあった学校の方が本人の為になると考えたからです。長男は思いがけなく実力以上の学校進学しましたが、次男、三男はほど良い学校へ進学でき、無理の無い6年間を学校で過ごすことが出来ました。

無理をしないということは精神的によく、全てのこととまでは言いませんが、いろんなことが順調に行くものです。

Q.今の若いお母さん方にどうしても言っておきたいことはなんですか?

今の若いお母さんがたに言っておきたいこと子どもを育てるという使命感を持つと窮屈にな るので一緒に育っていくという実感を持てたら良いのではと考えます。

「二人目が出来たら上の子を大事にしなさい」と言われています。これは「いろいろなことが分かってきている子どもを注意して子育てしなさい」ということなんでしょうね。

そんなことで、長男を厳しく育てていた私にも変化がおき、自分の勝手な子育ての理想を子どもに押し付けることはなくなりました。

ますます気持ちが楽になってくるので、子どもとの関係は良好です。長男も心配していた弟への妬きもちも無く、むしろ可愛がってくれました。あれほど熱心に長男にしつけた、トイレの訓練も次男には自然に任せるという方法をとり、オムツが取れたのは1歳を過ぎました。

この頃になってくると子どもを叱って何かを教えるという無駄な努力はしなくなっていましたね。

◆インタビューを終えて

家庭学習習慣についても中学受験勉強についても「子ども任せで特に何もしていない」というお話は衝撃的でした。世間では「こうすれば東大脳が育つ」というような学習法の本が大量に出まわっているのに、後藤さんは「何もしなかった」と言い切るわけですから。

勉強熱心なあまりやり過ぎてしまいがちな現代の親御さんへの警鐘と捉えるか、「そんなことできっこない」特別な例として退けるかの判断は読者にお任せします。

羊(2010/10/25)

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