子育ての秘訣

考える力を養う

こどもを落ちこぼれにしないために・・

連載2 子どものコミュニケーション能力を伸ばす

今の子どもだけでなく社会人の若者もコミュニケーション能力が不足しているのではないかという話を耳にします。幼児教育の世界でも言葉よりも先にてが出てしまう子が増えているそうです。

一方、企業などで欲しい人材に求められる能力の重要なポイントにコミュニケーション能力が挙げられます。これは同じことを違う側面から表していると考えられるのです。つまり、コミュニケーションが苦手な人が増えているので、その点を重視する企業が増えているということですね。

では、子育ての中でどのようにしたら子どものコミュニケーション能力を伸ばすことができるのでしょうか。

挨拶はコミュニケーションの第一歩

見知らぬ人がいきなり話しかけてきたら「ドキッ」としますね。挨拶は「これからあなたに近づいて言葉を交わしますよ。敵意はありませんよ」という表明でもあります。

笑顔で挨拶をしてくれる人にはなんとなく好感を持ってしまうもの。子どもが挨拶を学ぶにはまずは家庭の身近な大人から、つまり両親ということになります。子どもは周囲の人をモデルとして社会性を学んでいくのです。ですからまずは家族同士で普段から挨拶を交わすようにしたいですね。朝起きたら「おはよう」、食事の前には「いただきます」、出かけるときは「行って来ます」、帰宅したら「ただいま」、「ごちそうさま」「おやすみなさい」も同じです。

子連れで外へ出て顔見知りにあったら「こんにちは」。この時子どもに無理やり頭を下げさせる必要はありません。強制されると嫌になってしまいますから。親がモデルを示すだけで良いのです。その内真似をし始めますし、そこでほめられでもしたら黙っていても挨拶するようになります。


コミュニケーション能力は親子の会話から

コミュニケーション能力は親子の会話から

ではイメージ処理は特別な人々しか使えないものなのでしょうか。そんなことはありません。レベルの違いはあるにせよ、誰でも使うことができます。
例えば足し算をするのに、筆算でするのとイメージでするのとを比べてみてください。コミュニケーションは実践しないと上達しません。そのためには親子の会話が欠かせないのです。

例え1歳の子どもが話せなくても、大人の話はかなり理解しているもの。一方通行のように感じても、たくさん話しかけてやってください。会話ができるようになってきたら、まずは言うことをおしまいまで聞いてやりましょう。上手くは話せない子どもの言葉尻をとらえて、親が先回りして言いたいことを取り上げると、子どもはだんだん話をしなくなります。だって言わなくても済んでしまうのですから。

一度辛抱強く聞いてやって、ポイントを繰り返してやってください。こんな具合です。

子ども「んーっとね、○ちゃんがね、きてね、おもちゃをね、ポーンした」
おとな「そう、○ちゃんがおもちゃを どうしたのかな?」
子ども「ポーンした」おとな「ポーンて投げたの?」
子ども「そう、投げたの」

まずは子どもの言い分、感情を受けとめてから、正しい言葉遣いで言い直してやれば、子どもにもどう言えばよいか理解できるでしょう。


コミュニケーション能力は共感性から

先ほど「子どもの感情を受けとめる」と書きました。相手の気持ちが分かる共感性は、自分の気持ちを受けとめてもらう経験をしていないと育たないのです。自分が受けとめてもらえるから、相手を受けとめようという気になるわけです。

もう一つ最近の幼児は忙しく遊びが不足がちです。小さいうちからお勉強や習いごとをして、自発性に基づく遊びの経験が減っています。同年齢の子と遊ぶ時間も減っています。子どもは子どもから学ぶことも多いのです。月齢が大きい子は自分ができないことができるでしょう。

目の前でモデルが見られるので、真似してできるようになるかも知れません。また玩具をめぐっていざこざやケンカが起きるかも知れません。いぞこざ、ケンカというのは絶好のチャンスです。自分の思い通りにならない他者というものを知ることができます。ここで泣いたり泣かされたり、あるいは外からその様子を見たりして、他者の感情について学習するわけです。

『やはり野に置けれんげ草』ではありませんが、子どもは許す範囲内で様々な環境や人々と触れ合って成長して行くものです。そんな機会をたくさん作ってやりたいですね。

羊(2009/07/15)

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