子育ての秘訣

考える力を養う

小さな哲学者たち

連載7 小さな哲学者たち

考える方法を教えてやれば、幼児だって立派に哲学できるのです。

映画「小さな哲学者たち」のDVDを販売元から送って頂き見てみました。とても興味深い内容でしたので、読者の皆様にご紹介します。

映画「小さな哲学者たち」
(c)Ciel de Paris productions 2010

ニュースリリースによる内容紹介はこうです。

フランス、パリ郊外のZEP(教育優先地区)にあるジャック・プレヴェール幼稚園。そこでは、3歳から5歳の子供たちが哲学を学ぶという世界で初めての画期的な取組みが行われていた。幼児クラスを受け持つパスカリーヌは、月に数回、ろうそくに火を灯し、子どもたちを集める。みんなで輪になって座り、子どもたちはいきいきと、時におかしく、そして時に残酷な発言を持って色々なテーマについて考える。

睡魔に襲われつつも、たくさん考え、話し合っていくうちに湧いてくる”言葉たち”。そして授業を通して、お互いの言葉に刺激を受け、他人の話に耳を傾けること、意見は違っても、自分達の力で考える力を身につけてゆく子どもたち。その一番近くで試行錯誤しながらも、この画期的な取り組みを行う教師や、子どもたちとともに成長する親たち。
いま日本の教育現場でも議論になっている”考える力”とは。子どもたちに本当に必要なものとは何なのか?

ドキュメンタリー映画のため、人によっては退屈してしまうかも知れません。けれども登場する子どもたちの表情や発言を注意深く聞いていると、さまざまなことが見えてきます。

はじめは議論がかみ合わずに、言いたいことを言っているだけに見えた子どもたちが、次第に他の人の意見を聞いてから発言するように変わっていきます。

また子どもたちがテーマについて発言する際に、いかに家庭で保護者が話していることに影響を受けているかが明らかになります。ひるがえって自分達の子どものことを考えると、ちょっと恐ろしく感じる点でした。この口調やセンテンスは大人のものではと思える発言がいくつもあるのです。

日本でも「考える力」を養う授業をしなくてはならないと、小学校で総合的な学習の時間が導入されましたが、この作品で行われている授業は、それを超えるものだと感じました。もっとストレートに「考える」ということを実践しているからです。

教師は授業の中で常に「それはどうして?」「本当?」と子どもたちに問いかけます。大人から言われて思い込んでいたことが正しいのかどうか、次第に吟味するようになります。

「子どもにはできないから」「本当にできないの?」「パパが言った」「あなたはできないと思う?」「別荘に行った時には一人ででかけた」「一人で?」

こうしたやり取りを通じて、考える方法を学んでいった子どもたちの成長がスクリーンから伝わって来ます。

この考える授業は幼稚園で行われていますが、私たちの家庭でもできることではないでしょうか。子どもに大人の考えを押し付けるのではなく、常に「あなたはどう思うか?」問いかけること。そうした姿勢が子どもの考える力を伸ばすに違いありません。

親のチカラ向上委員会に登場していただいたはやし浩司先生も「考えることは習慣」とおっしゃっています。子どもに考える習慣をつけてやるのが大人の努めではないでしょうか。

小さな哲学者たちDVD

原題:JUST A BEGINNING
発売元:ファントム・フィルム
販売元:アミューズソフト
(c)Ciel de Paris productions 2010
製作年:2010年
製作国:フランス
品番 DVD セル専用:ASBY-4988
DVD レンタル専用:ASBX-4989
発売日:2012年2月24日

羊(2012/02/03)

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