子育ての秘訣

子育ての『いろは』

こどもの社会性を育てるには・・・

連載10 子どもと料理をしよう

料理を通じて脳と五感を鍛えることができます。食育と言うことが言われています。厚生労働省では次のように言っています。

『食育とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みを指します。』

でもちょっと大げさでかしこまりすぎている定義に思えます。大島 清 京都大学名誉教授やテレビでおなじみの茂木健一郎氏など脳科学者が、人類の進化の視点から、食育の重要性について語っています。

生きていくために栄養を摂取することが生き物にとって最大の課題でした。

胎内に取り込める物、役に立つ物を見分ける感覚が重要なことは言うまでもありません。それが長い進化の過程で私たちの口腔、つまり口になっているわけです。

そこには神経細胞が非常にたくさん集まっているので、脳に刺激を送る器官としても大きなポジションを占めています。

だから赤ちゃんの成長する過程で口の感覚が脳の発達に欠かせないものというのも納得できます。

連載10 子どもと料理をしよう食べ物の様々な味を知ることが脳の神経細胞ネットワークを広げるので、いつも同じ食べ物ばかりを与えていてはいけない、それが食育のもう一つの意味なのです。口という原始感覚に近い器官を鍛えることで、人としての根元的な力を呼び覚ますということです。

『オテル・ドゥ・ミクニ』のシェフ三國清三氏が食育教室を開いていますが、以前ラジオの対談でこのことについて話しています。

「子どもの頃に様々な味覚を育て、人間としての感性を豊かにする」ことを目的としていると語っていました。まさに先の脳科学者と同じ事を言っているのです。

赤ちゃんを卒業したらお手伝いができます。料理を作ることは無理でも下ごしらえを手伝うことはできます。

タマネギの皮をむいたり、ピーラーでニンジンの皮を剥いたりと簡単なことから一緒にやってみてはいかがでしょう。

自分が関わって出来た食事はいつもより美味しく感じますし、場合によっては嫌いなニンジンも自分で皮むきしたら食べられるようになるかも。

味覚だけでなく自分で食材に触れて手を加えるという体験が、さらに食事を通じた五感の発達を大いに助けてくれるはず。

さらにお手伝いをほめられれば、自己肯定感や達成感を得ることができます。子どもの情操教育としても料理のお手伝いはお勧めです。

羊(2011/03/01)

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